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NovelJam 2018 参戦 / 観戦記など

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このマガジンは「NovelJam 2018」の参戦記や観戦記などをまとめてあります。「NovelJam 2018」は、2018年2月10日から12日に大学セミナーハウス(東京都八… もっと読む
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2018年2月の記事一覧

NovelJam2018回顧録 第2話

僕が「編集」を選んだ理由 11月のある日、僕は末広町のとあるイベントスペースに居た。そこではNovelJam2018の大会説明会が開催されることになっていた。 僕は一応、日本独立作家同盟の正会員である。都合があえば、なるべく同盟のイベントには参加している。今回もそういう意識で、この場所に足を運んだ。 この時点では、NovelJamに出るか出ないかはハーフ&ハーフだった。 NovelJamには2017年大会も参加している。この記念すべき第1回大会は、もちろん著者としてだ。ス

Noveljam2018【イカれギャルは次のステージに往く】

世の中にはいろんな作家がいる。 自称、作家。または、わたしのように普段はライティングの仕事をしながら夜な夜な公募賞や文芸誌にひそませてもらえるかもしれない原稿を書き溜める兼業作家。または、もう新人賞を獲っているがその先を見据える作家。デビューしたが、商業ではないところで個人で創作の道を極める作家。そして現在進行形で連載を持っている作家。などなど。 誤解のないようにはじめに申し上げると、どんな作家もわたしは好きだ。作家である、志しているというだけで、魂を感じる。そしてそれな

NovelJam2018回顧録 第1話

プロローグ平静を保とうと、僕は必死だった。 久々に家へと戻った。この住処がこれほど落ち着ける場所だったということを、改めて実感した。 まず、買ってきた菓子パンとヨーグルトを、冷蔵庫に入れる。朝は眠すぎて、ご飯をつくる元気もないだろう。次に、スーツケースを開けて、洗濯機に服を突っ込む。パソコンや本や資料は…明日会社から戻ったら整理しよう。後回しだ。 明日着るスーツとシャツも、今のうちに整理しとく。ああ、何で会議の予定が入るんだ。有給取りたかったのに。取らなきゃマズいイベントだ

NovelJam参戦記① ~戦いは八王子で

今年も参加してきました。NovelJam。 自分のために、今年はちゃんと記録しておこうかと思います。 去年は市ヶ谷でしたが、今年は八王子にある大学セミナーハウス。 私が住んでいる神奈川の盆地からは1時間ちょっとだけど、小田急が止まったら怖い。ということで、早めに出発です。 絶対に遅れんなよ……! 念を送っていたおかげ?か、無事に10時過ぎに到着。 一緒に著者として参加する寧花さんとの待ち合わせは11時なので、それまでスタバで朝食摂りつつ、読書をして時間を潰すことに。 ち

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小説に終わりは必要か。オチは無いといけないのか。

私はnoveljamの講評で、「短編の枠に収まらない」とか「長編の第一話ぽい」みたいな誉め言葉を聞くたび、「いやいや短編の尺にキッチリおさめた話の方が良いに決まってるだろ、何言っとんじゃ」と思ってたんだけど、 そのことをずっと考えてたら「何でそもそも小説は終わるんだろう」という疑問が芽生えてきた。 なんでそもそも小説は終わるんだろう?? 紙面の都合? じゃあwebは?? たとえばtogetterで幾つかのツイートを拾って物語を作ったとして、編集可能にしとくことも出来る。

小説の感想を作者に伝えることと、小説を褒められてもあまり嬉しくない話

賞レースがね、すっごく苦手なんですよ。ムキになり過ぎてそれ以外のこと考えられなくなっちゃうの。だから早く「やるだけのことはやった!あとは放置!」という状態にもってって、忘れたい。(しかしそんな状況来るんだろうか…?) ノベルジャムのハッシュタグを1日10回くらい検索してる気がする。 病院に行ったら「ツイッターの見すぎですねー。気になるようでしたらエゴサとノベルジャムハッシュタグ検索できないお薬出しときますねー」って言ってもらえないだろうか。やめたい。全然楽しくないからだ。

NovelJam審査員としての感想、それからオススメの本など。

2018年2月10日から12日にかけて、NPO法人日本独立作家同盟主催の「NovelJam2018」が開催されました。2泊3日で作る小説イベントはなかなか珍しいのではないでしょうか。 https://www.noveljam.org          (公式サイト) 私はそちらに審査員として関わらせていただきました。 (ちなみに審査員は米光一成さん、海猫沢めろんさん、新城カズマさん、そしてスポンサーのエブリスタさんと私です) 8チームで全16作品を作り、それを審査する

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Weekly R-style Magazine 「読む・書く・考えるの探求」 2018/02/19 第384号

はじめに はじめましての方、はじめまして。毎度おなじみの方、ありがとうございます。 Lifehacking.jpの堀さんが、vlogで書評動画をアップされていました。 ◇#022 [VLOG] 人生を変えるアルゴリズム。早川書房の「アルゴリズム思考術」レビュー - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=Y0KVBuvUCxA&t=134s 私も前々から本を紹介する動画を作りたいと思っていたので、この動画には大きな刺激を受けま

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【超短編小説】『ツイハイ』

NovelJam 2018年2/10~12日の3日間、著者・編集者・デザイナーの三者がチームとなって小説を作り電子書籍出版をする合宿「noveljam2018」に参加しました。そこで完成した小説「ツイハイ」を、全文無料公開します。7000字程度です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ツイハイ」 〈著者〉渋澤怜〈編集者〉ふじいそう〈デザイナー〉澤俊之 @TuiitterJP「【Tuiitter Japan サービス終了のお知らせ】このた

バイト辞めて5か月経った渋澤怜の最近の報告

9/9を最後にバイトやめた(というか、週1~2という極端に頻度を減らした)渋澤怜は最近なにやってんの? っていう、近況報告記事です。 ■関連の過去記事 バイトを辞めたので抱負を。 バイトを辞めた渋澤怜のここ4ヶ月半がどんなものだったか報告 ■ここ一か月のかんたんレポ1/27 ボイトレに通ってる受講生同士で「自主練習会」と称し、ボイトレに興味ある人に簡単にコツを教える会をやる。(私のボイトレの先生は徳久ウィリアム先生といいます。かなり尊敬しています。くわしくはこの記事み

NovelJam2018御礼文

2月10日から12日まで開催された「2泊3日の合宿形式で小説を書き上げるイベント」ことNovelJamに、編集役として参加しました。おかげさまで2冊の本が無事出版されただけでなく、新城カズマ氏と海猫沢めろん氏より賞を頂く運びとなりました。関係各位の皆様、誠にありがとうございました。 ◆平成最後の1日を、逃げる二人の行く末は? アラサー女子が織り成す優しいロードノベル 藤崎いちか著「平成最後の逃避行」 【販売店】 BCCKS Kindle 楽天kobo ◇どうすることもでき

審査委員は何を考えてるのかNovelJam 2018

「著者」×「編集者」×「デザイナー」 チームとなって物語を紡ぐ! 2018年2月10日(土)~12日(月)2泊3日の出版創作イベント 「NovelJam 2018」 ノベルジャムというイベントがある。今年で2回め。(その後、順調に回を重ねている→「NovelJam2018秋・審査委員は何を考えてるのか」) 著者、編集者、デザイナーがチームを組んで、短期間で小説を書き上げて、電書として出版するイベントだ。 今回は、2泊3日の合宿形式。 フル稼働で大忙し高密度なイベントで、それ

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「平成生まれ」とか「ゆとり」とかすぐ言う人が嫌いだ

「平成」という言葉について考えている。 この前の3連休に行ってきた小説合宿noveljamで、お題として出された言葉なのだ。どんだけnoveljamひきずってんだ笑 noveljamでは、平成というお題を、「平成生まれの主人公が……」みたいな消化の仕方をしてる書き手が結構いた。そもそも「お題をうまく消化した奴が勝ち」というバトルではないので、それでも全然良いと思う、し、実際それで受賞してる人もいる。全然良い。 でも「自分は平成生まれだから/平成を生きてるから、息を吸って

筆を折るということ

ちょっとうちひしがれている。 通常、新人賞で落ちた作品は公開されない。また、最終候補でもない限り、落ちた作品には講評もつかない。 だから、その賞レースを傍観してた人にとっては「どんな作品が落ちたか」は分からないし、賞レースに参加して落ちた者にとっては「自分がなぜ落ちたか」は分からない。 この不透明さは多くの人を苛立たせてると思うんだけど、しかし「審査員の目が節穴だったんだ!」「出来レースだ!」と言って憂さ晴らし出来る、という余地も生んでいる。(勿論良いことではないが)。