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NovelJam 2018秋 参戦 / 観戦記など

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このマガジンには「NovelJam 2018秋」の参戦記や観戦記などをまとめていきます。「NovelJam 2018秋」は、2018年11月23日から25日に大学セミナーハウス(…
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#noveljam2018秋

小説、舞台、SNSを横断する多重の演技――西河理貴『【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!』を読んだ

小説、舞台、SNSを横断する多重の演技――西河理貴『【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!』を読んだ

 これは西河理貴『【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!』(以下『センコロ』)の読書感想文である。この文章の中で、私はいわゆるネタバレに対する配慮を一切していない。話の筋や結末を聞いただけで本を読む楽しみが損なわれてしまう人は、たぶん読まないほうがいいだろう。それから、まさかいないとは思うけれど、もしこれを読んでいる人の中に「ニシカワリキって何? おいしいの?」というレベルの知識しか持ち合

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半年寝かせてあの日を想う 〜noveljam 2018秋 生還録〜【その4】

半年寝かせてあの日を想う 〜noveljam 2018秋 生還録〜【その4】

著者/編集者/デザイナーが入り乱れて戦う2泊3日の小説ハッカソン「noveljam」での強烈な体験を経て、何もかもが変わりました。八王子で味わった天国と地獄、そこから見えてきたことを赤裸々にレポートします。第4回にて、ラストです。

本記事で取り扱う時系列
■二日目
22:00~ 会場閉店後、自室にて作業
■三日目
05:00 開場(印刷のため)
07:30 朝食
08:00 チェックポイント

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上がりつづける高度 〜noveljam 2018秋 生還録〜【その3】

著者/編集者/デザイナーが入り乱れて戦う2泊3日の小説ハッカソン「noveljam」での強烈な体験を経て、何もかもが変わりました。八王子で味わった天国と地獄、そこから見えてきたことを赤裸々にレポートします。

本記事で取り扱う時系列
■一日目
19:30 執筆開始
21:00 チェックポイント1(プロット公開)
22:00 会場閉店
■二日目
07:30 朝食
09:00 執筆開始
12:00

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Noveljam詩集 2018秋

Noveljam詩集 2018秋

詩を書きたいというひそかなモチベーション。
あまりにも強烈だったNoveljam体験を起点として、不勉強ながらも創作や編集についてずっと語っていたいジャムロス症候群。
長々と書き連ねるのなら、いっそ練習がてら詩にしてしまえという謎企画です。ご存知すぎる通りすでに2019年ですが、2018年のイベントですので気にしたら負けです。

RichTextForm五感にコンパイルされたとたん、転がり出す文字

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第4回NovelJamへのタイムカプセル

どうも、第3回NovelJamで全てのゴールを「最速」で切り抜けた著者
白色黒蛇です。

一昨日がグランプリでしたが、第3回の結果は残念なもんでした。
まぁ、なんとなく分かってましたが。
これは冗談とかでもなんでもありません。文字通りです。

何故なら、NovelJamで結果を出すために必要な「要素」がいくつか欠落していたからです。

これから語るあたしの最後の第3回NovelJam体験談が、第4

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4コマ『みんな釘のせいだ』02話

4コマ『みんな釘のせいだ』02話

ノイローゼか、それとも超能力なのか!? 釘の声が聞こえる和釘職人・宗方永治。
今回は釘のイチャイチャが聞こえる?

NovelJam2018秋(テーマ「家」)にて出版した小説『みんな釘のせいだ』の4コママンガ第2話更新です!
(画:藤沢チヒロ/原作:最堂四期)

子はかすがい

原作小説『みんな釘のせいだ』が気になる!BCCKSほか、Kindle、楽天koboなどでも読むことができます!
『みんな

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一之瀬楓インタビュー「今回のNovelJamを待ち望んでいた」

一之瀬楓インタビュー「今回のNovelJamを待ち望んでいた」

2018年11月23日から25日の3日間で行われたNovelJam。
ここから16の作品が生まれた。
今回は『あなたの帰る場所は』で藤谷治賞を受賞した一之瀬楓さん。2月1日には藤谷先生が入れてくださった赤字を元にした改稿版をBCCKSにてリリースする。そんな彼女にインタビュー、NovelJamに参加したきっかけ、今後の展望などについて聞いた。

-NovelJamに応募したきっかけはなんだったので

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Noveljam2018秋 スピード総括

Noveljam2018秋 スピード総括

 チームH担当編集のつきぬけです、明日はnoveljamグランプリ表彰式ですね。やれそうな施策は一通り終わったので、総括合戦の流れにのっかろうと思います。
 現在連載中のnoveljam参戦記がダラダラと記憶を辿るタイプの記事なので、当記事では端的にまとめます。

目的と達成度(イベント全体)■目的
①化学反応的な創作現場を目に焼き付けること
②編集者としての研鑽

■達成度
① ◎
文句なしに達

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【1月31日 08:46】

 わ、昔の日記が出てきた。しかもちょうどぴったり1年前で止まってた。こんなグーゼンってある!?

 最後の日記、由貴が出て行った日だったね。もう終わりにしよう、って言ったら、由貴はわかってたって顔でうなずいて、いそいそと荷物をまとめて出て行った。2LDKに残されたわたしはひとりぼっち、この広い家を持て余して暮らしてきたよ。

 いまごろ由貴はどうしてるんだろう。あれから一度も連絡取ってないな。さみ

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【1月31日 00:52】

 丸1日ばかり涙が止まらなかった。流石にもう枯れて、泣き疲れて倒れるように寝ていたら、もう1日経っていた。目をさましてからは、からっぽの頭で終わりのことばだけを考えていた。締め切った部屋で、そんなふうに時間感覚もなくしていたから、携帯見るまで日付がわからなかった。もう31日になっていた。

 カーテンの隙間が白かったからたぶん今朝方、出かける直前だっただろうか、由貴がわたしの部屋の扉に向かって、小

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【1月28日】

 耐えられなかった。話している合間にもおかしくなりそうで。

 鏡に話しかけてるみたいで、気持ち悪くて。もうだめだ。

 なみだがあふれる。

 だmふぇだ

【1月27日】

 まだ整理はできないけど、流石に聞かないといけない、と思ったけど、やっぱりまだ由貴の顔を見るのが怖い。今日も会わないようにした。ごめん、米だけは炊いたから。

【1月26日】

 MAYUの動画が上がっている。

 なんで? わたしは撮ってない。由貴とルームシェアしてから、一度も。

 なのに、わたしの部屋で、わたしがしゃべっている。

 わたしがいる。MAYUがいる。

 コメント欄、MAYUちゃん復活キターーーーーじゃないんだよ。

 来てない。本当に。なんで?

 なんでって、一つしかない、答えは一つしか。

 これは由貴だ。

 よく見たらアカウントもわたしのじゃ

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【1月25日】

 積ん読完全消化! やったね。

『帰りゃんせ』やんちゃな男の子が、ちょっとした反抗と不思議な出会いから、最終的に恐ろしい目に遭ってしまう、怪談チックなお話。というか、怪談だな、これは。童謡がモチーフって、ジミ〜に夢に出そうな、絶妙な不気味さなんだよね。しかも一瞬救われそうになって救われないENDの後味……いや、怪談なんだから大成功だよ、これは。

『異世界? いかねえよ。』タイトルの通り、いわゆ

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